今回の カタ ポイント
高尾山エリアで活躍する方・ゆかりのある方=タカオのオカタさんたちの力を借りながら、高尾山の新しい楽しみカタを発掘・発信しているタカオのカタヲ編集部。活動を始めて半年が経ちましたが、高尾山についてまだまだ知らないことばかり。というわけで今回は原点に立ち返り、「高尾山の登りカタ」についてディープな楽しみを見出すべく、高尾山の達人とも言えるこの方、「高尾山マガジン」の滝さんと一緒に高尾山登山に行ってきました!
高尾山マガジンとは、登山コースや高尾山イベント情報、グルメスポットなど、高尾山の様々な情報を配信しているwebメディア。幅広い情報を網羅しており、「高尾山公式サイトなのでは?」と勘違いされることもあるのだとか!
登山コースの紹介はもちろん、高尾山登山に適した服装や持ち物、さらにはトイレの場所まできめ細やかに解説されている、高尾山はじめてガイド。初めて高尾山登山する方必読!丁寧で、滝さんの人柄や高尾山への愛が伝わってきます。そんな滝さんと今日は清滝駅の前で待ち合わせ。
滝さんこんにちは!私たち、高尾の新しい楽しみ方にこだわるあまり、実は「登山」の「楽しみ方」ってあまり掘り下げられてなくて…。なので、ついにきたっ本丸!って感じです。王道の中にどれだけ新しい視点を見つけられるか、とっても楽しみです。
気軽に登れる山なので、あまり事前に情報を入れずに登る方も多いんじゃないかなと思います。でも、歴史や植物観察スポットなど、楽しみ方を頭に入れながら登るとまたいろんな発見があって楽しいですよ〜。実はケーブルカー清滝駅前の広場にも、見落としがちなスポットがあって…。
そういって清滝駅前広場の奥の方へ進んでいく滝さん。
高尾山口駅を降りたら登山口やケーブルカー乗り場にまっしぐらな方が多いので、案外ここに滝があることを知らない方がいらっしゃるんですよ。その名も清滝といって、清滝駅の名前の由来になっています。
!!何度もきてるはずなのに全く気付きませんでした…!
奥まったところにあるし、気付きづらいですよね。今日は古地図のコピーを持ってきました。この地図は1813年のものなんですが、清滝の名前が載っています。もしかすると昔はもっと立派で大きい滝だったのかもしれません。
「登山」がレジャーとして楽しまれ始めたのは明治後期からとされていて、それまでの高尾山登山はあくまで薬王院にお参りするためのものだったんです。あ、歴史を感じられるものがここにもありますね。
木の茂みの方を指差す滝さん。その先には、なにやら石碑が。
ん…?これはなんですか?
これは丁石といって、薬王院までの道しるべのような存在ですね。薬王院を一丁目としたとき、スタート地点であるここが三十六丁目になっています。1号路を登っていくと途中途中に丁石があって、昔は丁石を頼りにみなさん登っていたようです。
1号路は何度か登ってたけど全然気づいてなかったです…。
のんびり歩くだけでも気持ちいのが高尾山のいいところですが、こんな感じで歴史も辿りながら登ってみましょう。
滝さんと登る、今日のルートはこちら
1号路を登り、霞台まで行きます。そのあとは蛇滝を通るコースを下り、裏高尾へ抜けましょう。裏高尾にはおいしいおやつを売っているお店もあるのでご紹介しますね。
正直、1号路の前半ってものすごく急だから「あのコースかぁぁぁ!」とちょっと怖気づいてたけど、おやつと聞いて俄然やる気が出てきました!行きましょう!
1号路は野草パラダイス!?
清滝駅でケーブルカーやリフトに乗ってしまう人も多いのですが、1号路の前半っていろんな野草が自生していて楽しいルートなんですよ。早速スミレを2種類見つけましたよ!
高尾山は「スミレの山」とも呼ばれるくらい、スミレ観察で有名な山なんです。登山道沿いだけでも十数種類のスミレを観察できますよ。
高尾山の植生はすごく豊かだって聞いてましたが、スミレだけでそんなに種類があるんですね。
ニリンソウも群生していますね。ニリンソウは一つの根元から2つの花が出ているからニリンソウ(二輪草)っていうんですよ。
野草の名前が次々出てくる滝さん。さ、さすが。しばらく歩いていると、めずらしい野草を発見。
滝さん、だいぶ変わった色をしてますが、これも野草なんでしょうか?
ああ、これですね。この野草はギンリョウソウといって、色素を持たない野草なんです。
へぇ〜!色素がない植物なんですね。透明感があるなぁ。
珍しいですよね。漢字では銀竜草と書くんですが、確かに見た目が銀の竜に似ていますよね。ニリンソウもそうですが、漢字の方の名前で覚えると頭に入ってきやすいですよ。
名前や特徴を覚えるといろんな野草が目に入ってきて、登る道がさらに楽しくなりそうですね。
「これ、なんて野草だろう?」と思ったら高尾山マガジン内の野草特集ページへ。季節ごとや色でも調べることができるのでとても便利です!
丁石も発見しつつ、1号路をぐんぐん進みます。
野草を探したり、丁石を見つけたり、なんだか宝探しみたいで楽しいです!そういえば滝さんっていつから高尾山マガジンを始めたんですか?
10年前にブログとしてスタートして、今のようなメディアサイトの形にしたのは7〜8年前くらいですね。
そんな前から!なんで始めようって思ったんですか?
それまでもビジターセンターや高尾登山電鉄のサイトなど、高尾山に関するサイトはいくつもあったんですが、いろんな分野を横断的に紹介しているサイトはなかったのでやってみようかなぁと思ったのがきっかけですね。
なるほど。確かにいろんなジャンルを網羅されてて、高尾山マガジンを見れば高尾山のことが何でもわかる!って感じがします。サイトを運営していてよかったな〜って思うのってどんな時ですか?
高尾山に遊びに行こうと思っている人に見てもらえているのはもちろん嬉しいですが、高尾山で働いている方からコメントをもらえるのは特に嬉しいですね。高尾登山電鉄の方しかり、お店の方しかり、皆さん基本的には自分の持ち場から離れられないので、そういう方がメディアやSNSを見てくださって、「今の高尾山の様子を知れて嬉しい」と言ってもらえると、やりがいがあるなと感じますね。
来山者の方だけでなく、地元にも愛されているメディアなんですね。すごい…!
高尾山マガジン誕生の経緯を聞きながら歩いていると、霞台に到着。
霞台には「十一丁目茶屋」というお茶屋さんがありますが、ここが十一丁目なのでその名がついたそうですよ。
十一丁目ってなんのことだろうと思ってたんですが、このことだったんですね。
歴史や由来がわかると、今までなんとなく見ていたものも違った印象を受けますよね。さて、この辺でランチにしましょうか。下りは蛇滝コースを行きますよ。
何度も登ってよく知っていると思い込んでいた1号路にも知らなかったことがたくさんあり、「今まで登ってた道と同じ道?」と思ってしまうくらい発見の多い登山でした。滝さんがおっしゃっていたように、知っているのと知らないのとでは見える景色も発見の数も全く異なるようです。自然に歴史、幅広いジャンルの情報をインプットできる高尾山マガジンは偉大ですね。
後編は蛇滝コースを通って裏高尾へ!今度はどんな発見があるのでしょうか。お楽しみに〜!
後編記事はこちら
こんなことがあった!!編集後記
サカネ
タカオのカタヲの活動を始める前から見ていた「高尾山マガジン」の滝さんにお会いでき、登山前からハイテンションでした!滝さんの知識の深さや広さに驚くばかり。まさに歩く高尾山事典。
本日のタカオのオカタ
高尾山マガジン 代表
滝 将之さん
webディレクターとして働く傍ら、2011年より高尾山総合情報サイト「高尾山マガジン」の運営を行う。サイト運営のほか、TwitterやInstagramなどSNSでも精力的に情報発信を行っている。
編集部
サカネ
私も最初に高尾山に行こうとwebで検索したとき、高尾山マガジンのこの記事にお世話になりました!