

今回の カタ ポイント
7月17日に高尾山口駅前にオープンする、ホテル「タカオネ」。タカオネを拠点にすれば、今までよりもっと広い範囲で楽しみ方開拓ができて、高尾からはじまる「よりみち旅」もできちゃいそう!前回のよりみち旅企画では、陣馬山の麓で陶芸作家の上島かな子さんによる陶芸教室を体験。
今回は高尾からのよりみち旅パート2!ということで、高尾駅から景信山までサイクリングすることに。自転車よりみち旅を提案してくださったタカオのオカタは、高尾でウルトラライト(UL)ギアの企画・製造・販売をされている、jindaiji mountain worksのジャキさん。トレランもバリバリ楽しむTHE山の人。

jindaiji mountain works 代表 尾崎光輝さん(ジャキさん)
2019年にindaiji mountain worksを創業。西八王子のアトリエで様々なウルトラライトギアを製作している。シンプルで無駄のないデザインで人気。高尾に住んで5年目。

人気商品。ULクッカーのHillbilly Pot(ヒルビリーポット)/jindaiji mountain works提供写真
自転車でビューンとよりみち旅 へGO!
自転車旅は楽しみだけど、普通の自転車じゃ山男2人のスピードに着いていけなくてひとりぼっちになっちゃうな。ここは科学の力に頼るしかない…!
当日の朝サカネがやってきたのは高尾駅北口そばにある、シェアサイクル「HELLO CYCLING」のサイクルステーション。2021年3月に高尾駅や高尾山口駅に設置されたようです。会員登録をすれば誰でも使え、アプリ上でステーションに何台空きがあるかわかるスグレモノ。※2022年3月末までの予定で実証実験中

今回使ったステーションは高尾駅北口臨時駐車場(北口から徒歩3分程度)
シェアサイクル HELLO CYCLING
料金
70円/15分、1,000円/12時間サイクルステーション
高尾山口駅に1箇所、高尾駅北口に1箇所
※2021年6月現在予約方法
アプリにて利用開始30分前から予約可能使用方法等、詳しくはHELLO CYCLINGのHPをご覧ください。
このシェアサイクル、なんと電動自転車なんです!これなら強靭な脚力を持つジャキさんやスエマツさんにも置いていかれない!サカネとカメラマンのキクチ氏は電動自転車を手に入れ、颯爽と高尾駅へ。
梅雨の合間のカラッと晴れた気持ちのいい日。それぞれの自転車とともに、高尾からの自転車でビューンとよりみち旅スタート!

激アツすぎて、このあとすぐ赤ジャン脱ぎました。
スタート直後はしばらく街ナカの風景が続きますが、旧甲州街道に入って裏高尾エリアに行くとだんだん周りに緑が多くなっていきます。

キクチカメラマン、初の自転車撮影。速くてブレる。
自転車のいいところはさ、移動の間も周りの変化を感じ取れるところだよね。ああ、あそこに花が咲いてるなとか、日陰に入ると涼しくて気持ちいいなとか。
確かに。バスでも行けちゃうけど、バスの中にいるとそういう変化って感じ取りにくいですもんね。
五感を使いながら移動を楽しめるのが最高なんだよね。小回り利くから、気になる道があればよりみちもできちゃうし。
しかも、歩きより断然楽!(笑)
高尾山が目的地ってなると自転車の必要性ってあんまり感じないかもしれないけど、高尾を起点にいろんなところに足を伸ばすならチャリはおすすめですよね。
楽しくゆるゆる走っていたものの、中盤くらいから徐々に上り坂に。

後半からじわじわと…
上り続くけどサカネさん大丈夫?
いやー、電動自転車ってすごいですね。坂道もスイスイで全然大変じゃないです!これなら延々走ってられます。
これ、絶対僕たちの方が大変なやつですよ(笑)。
グイグイ坂道を上る一行。
珍しくスエマツさんがしんどそう!
ジャキさん体力あるなぁ〜!そういえばジャキさんって山歴長いんですか?
30代でハマったから、実はそんなに長くないよ。元々は海派でサーフィンとか釣りがメインだったな。
そうだったんですね!山関係のお仕事をされてるし、てっきり学生の頃からガッツリって感じかなと思ってました。ハマってから今に至るまで、山との関わり方って変わりました?
山にハマった当時は会社員をやってたんだけど、あのときはなんとなく山に”頼っている”感じだったね。仕事が自分にあまり合ってなかったから、それを発散するように登ってたな。今の方が山と健全に向き合ってる気がするよ。生活の一部として溶け込んで、山に頼りすぎることもなく、山として対等でいられるというか。
負を発散するための場じゃなくなったんですね。
そうだね。山ってさ、多少ルールはあるけど基本的には自由に楽しめるじゃない?当時はとにかく自由がほしくて、必死に山を登ってたんだと思うよ。今は自営業で、いつ働くか・何をするかも自由だから、山に求めすぎなくなったのかもしれないね。
僕は「一人になりたい、頭からっぽにしたい」ってときに山に行ってて、それも自由を求めてのことなのかもしれないです。
人はさ、1日30分だけでもいいから「自分のためだけの時間」が必要なんだよ。この世に一人きりになれる場所って案外少ない。街にいると絶対人に会っちゃうじゃん。山もたまに人とすれ違うけど街の比じゃないし。だから、1日のうちにちょっとでも山でそういう時間が持てるのは幸せだし、それこそが山の麓に住む醍醐味だと思うよ。
途中、休憩したり話したりしながら走ること40分少々。小仏峠入口の駐車場に到着。脇の方に自転車を停め、ここからは歩いて景信山登山口へ。

登山口までは歩いて約5分
緑が鬱蒼と生い茂っており、晴れの日なのに少し暗く、日の光が遮られて少しひんやり。入口からすでにミステリアスな雰囲気が漂っています。
景信山は手つかずの原生林と、人の手が入った植林とが入り混じった面白い山なんだよ。ほら、ここからは植林で、向こうは原生林になってる。
ホントだ!原生林の方がうねってて生き物感がありますね。
植林は杉だから針葉樹なんだけど、原生林は広葉樹がほとんど。今の季節も緑がはっきりしていてきれいだけど、紅葉の時期はほんとにいいよ〜。高尾山ほど混まないしね。

写真左手が植林、右手が原生林
これまでいろいろな山を登ってきたと思うんですが、なんで高尾山の麓に移住したんですか?
今のブランドを立ち上げる前はローカスギアっていうアウトドアメーカーで働いてて、そのアトリエが津久井湖の湖畔にあったんだ。アトリエまでランと自転車で通ってたんだけど、その通り道に高尾があったから馴染みがあったんだ。その距離なんと1日往復30km(笑)。
毎日ハーフマラソン以上の距離ってかなりエグいっすね…!

広葉樹の葉に日の光が当たり、透明感のある緑が楽しめます。
山にハマった後トレランも始めたから、トレーニングがてらと思って通ってたよ。トレランを一緒にやってたANSWER4のコバくんも高尾に引っ越して来てたし、仲間もいるならこの辺に住むのいいかもって思って、物件探した感じかなぁ。
人のつながりがある場所だと、暮らしが楽しくなりますもんね。
そうなんだよね。高尾の面白さもまさに”人”だと思ってて。高尾に引っ越してきた人たちって信念というか、「俺はこれをやりたいんだ!」ってものを持ってるから付き合ってて面白いんだよ。それに、みんな高尾に惹かれて引っ越してきた、いわば「ファン」。外からやってきたファンだからこそ見える高尾のいいところがあると思うし、恥ずかしげもなく「高尾はいいぞ」って言える気がするんだよね。
僕自身も、そしてタカオネもまさに新参者で外から来た存在なので、ジャキさんの話聞いててなんか勇気が湧いてきました。
ジャキさんの話に感銘を受ける若輩者二人。山と自分、暮らしている街と自分をそんな風に捉えたことがなかったなと思い、自分のことも振り返ってみようと思ったのでした。
登山口から1時間ほどで山頂へ到着。インタビューしながらだとあっという間!

ヘトヘトの膝ガクガクでよろめくサカネ
山頂に着いたらこの景色!
正直なところ、高尾山しか登ったことのない私にとっては少々きつい上りでしたが、ご褒美みたいなこの光景を見ると全部吹っ飛んじゃいますね。がんばった甲斐があった〜!
後編では、jindaiji mountain worksの人気クッカー「ヒルビリーポット」を使った簡単クッキングと、楽しい楽しい下り坂自転車の様子をお届けします。それではまた後編で!
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今回は山に行く手段を変えたけど、山に行く時間を変えるのも楽しいですよ♪
こんなことがあった!!編集後記

スエマツ
駅前集合からの、お喋りしながら時折きついサイクリングとゆるりと楽しめる原生林ハイク。コントラストがなんとも楽しかったです!
本日のタカオのオカタ

尾崎 光輝さん
(ジャキさん)
2019年にindaiji mountain worksを創業。西八王子のアトリエで様々なウルトラライトギアを製作している。シンプルで無駄のないデザインで人気。高尾に住んで5年目。
タカオのオカタ
ジャキさん
晴れた日の自転車は最高だよー!行きはちょっと上りがあるからきついけど、帰りはずっと下り。ぴゃーっと下るときの気持ちよさったらないね。
編集部
スエマツ
いいっすね〜!僕もチャリ好きなんでぜひ自転車よりみち旅やりたいです!
タカオのオカタ
ジャキさん
行き先は景信山にしようか。高尾駅から自転車で40分くらいかな。景信山は手つかずの原生林で尾根歩きができる、高尾から一番近い山なんだ。
編集部
スエマツ
ジャキさんが作っているギアのストイックな感じと、景信山の原始的な雰囲気がマッチしそうですね。
編集部
サカネ
(自転車で40分!しかも前半は上り…。二人についていけるかな…)