今回の カタ ポイント
元「木こり」が作るバックパック
元々編集部ヤマモトと知り合いだった藤嶋さんですが、今回はタカオネ”野市”に出店されるにあたり、改めてインタビュアーとしてお話を伺いました。藤嶋さんは軽量性と機能性を併せ持つバックパックをメインに「森」にまつわるアウトドアギアブランド「レイナドールワークス」を1年ほど前に立ち上げ、活動の幅を広げています。
元「木こり」という異色の経歴を持つ藤嶋さん。「森を育み、森とともにある生活」を目指すための一方法としてアウトドアギア制作を始めたそうです。
元々モノづくりをしていたんですか?
一時期レザー製品の縫製やアパレルなどモノづくりに関する仕事を兼業していた時期があります。ある時、家にあるミシンでバックパックを自作していたものをSNSに投稿していたら欲しいと言っていただく方が増えて本格的にブランドを始めることにしました。
現在では取扱店舗へ製品を卸すのと合わせてカラーや素材をオーダーメイドできるシステムも用意しているようです。自分だけのオリジナルバッグでハイキングできるとさらに山が楽しくなりそうです!
土壌微生物の名を持つプロダクトたち
レイナドールワークスの製品名には聞き慣れない言葉が並びます。製品名の由来についてお尋ねしました。
バックパックのフラッグシップモデルとも言える「Lichen(ライカン)の意味は何ですか?
日本語の「地衣類(ちいるい)」を指す言葉です。聞き慣れないと思いますが土壌に生息する菌類と藻類の複合体のことです。
林業会社に勤めた中で自然界から受けた刺激や発見をプロダクトやその製品名に落とし込んでいるのもあり、インタビューではかなり詳しい内容までお話を伺いました。簡単にまとめると地衣類は土壌の土台とも言える生き物。ブランドの土台となる製品としてバックパックに命名されたそうです。また、地衣類は複数の生物がお互い支え合って生存しているもの。つまり「共生」。これはバッグを山だけではなく街でも使って欲しいという想いも込められています。
その他にも小さなゴミ入れポーチとしての「Fungus(ファンガス)」やボトルホルダーにもなる「Moss(モス)」などそれぞれ生物の名前がついています。その由来も興味深いのでぜひ野市の際にご本人に聞いてみてください!
森には何もないけど何でもある
「森」に焦点を当てて活動をする藤嶋さん。森には全てがないようであると語ります。
森には何もないけど何でもある。その心は?
一見、木がたくさんあるように見えるだけですがミクロな視点で見ると土壌微生物等が生活をしていて、マクロな視点で見ると山を形成し豊かな水源になり人の生活に直結します。工夫次第で遊びも生み出せますし、仕事にもなります。
見方を変えると森には全てが詰まっているというのはこういった理由から。森の魅力と可能性を可能性を伝えるアプローチとしてバックパックを制作しているそうです。
高尾山も都会からすぐに行ける観光地として人気を博していますが、その足元には多くの生物が住み、目には見えないところで人の暮らしを支えてくれています。
高尾山が「霊山」であり日本遺産に認定されたのもその微生物たちの活躍によるものだと藤嶋さんとお話ししていて感じました。
日本中の森を巡る旅
将来的な展望をお聞かせいただけますか?
現在のプロダクトにも共通することですが仕事と遊びを分けることなく使えるギアの制作を続けていきます。それと来年からは日本の森を巡る旅に出ます!
来夏から日本の森を巡りながら製品制作をする旅に出るとのこと。
自分が「これは!」と感じる森を探しつつ、道中プロダクトを制作・販売しながら各地を巡るそうです。移動式ガレージブランドとも言える前代未聞の活動に期待です!
タカオネ”野市”詳細 10/28,29
こんなことがあった!!編集後記
編集部 ヤマモト
ヤマモト自身も土壌微生物に興味津々だったので話が弾みました。
森と言っても様々な要素が絡み合っているので知れば知るほど楽しみが増えそうです!
本日のタカオのオカタ
レイナドールワークス代表 藤嶋裕太さん
どこかで きになる
じっくり きになる ものづくり
元きこりが森を想いながら、都内の自宅でひとつひとつ丁寧に、気ままにバックパックなどを製作しています。
自分自身が"これで遊びたい"と思えるものだけを製作し、いずれは森や自然界に直接還元されるものづくりを目指します。
Instagram:@rainadole_works2277
編集部
ヤマモト
ブランド名であるレイナドール(rainadole)とはどんな意味があるんですか?
レイナドールワークス代表
藤嶋さん
rain(雨)とleñador(木こり、スペイン語)を掛け合わせた造語で森に関わるギアを制作したいという思いを含めてつけました。